製品含有化学物質調査(環境調査)について

今回は新年早々仕事の話w

私がほんの少し手伝っている夫の実家の会社は、金属のプレス加工をしている、

砂つぶ、いや、糸くずほどの超零細工場です。

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そんな弊社が製品を納入しているA社などから、年に数回(いや十数回)、環境調査(金属製品の化学物質含有調査)というものが依頼されます。

 

簡単にいうと、弊社が納入している製品で使用している材料(鉄やアルミなど)に

水銀や6価クロムなどの違法な成分が含有されていないか、あるいは、紛争地帯の鉱物を使用していないか、などの調査です。

違法な成分はEUや米国などそれぞれの基準があったり、紛争鉱物は紛争地帯の

鉱物を購入することによって武装集団へ間接的に資金援助をしてしまう恐れがあるので

世界的に食い止めたいのだろうな、ということはなあんとなく理解できます。

 

そして、その調査結果はA社からA社のさらに納入先である、大手の顧客へと提出するのであろうと思われます。その大手企業は、毎年、おそらく、環境調査担当部署が、ファイルをチェックして、「今年の分の環境調査の資料を揃えろ!」みたいな指示が上司から出て、ちっとか舌打ちしながら、弊社の納入先のような、製造メーカーA社へ環境調査の提出を要求するのでしょう。そして、A社は砂粒以下のような弊社に、「客先より環境調査の依頼が来たので○月○日までに提出をお願いします」と言った依頼をしてくるわけです。

 

そして、弊社は材料を仕入れている、材料屋さんに環境調査の依頼をするわけですが、環境調査にもいろいろあって、今回はChem CHARPAという、経産省が作った専用のツールを使って

専用のシートに入力する、というものでした。

ツールは誰でもすぐにダウンロードできます。

私は、材料屋さんにChem CHARPAのシートでの回答を依頼したのですが、

材料屋さんのさらに仕入れ先である、Q社では、PDF形式で送ってきたのです。もちろん内容はChem CHARPAの入力シートそのままをコピーしてあるようなもので、入力されている内容は全く同じもの。

で、私は材料屋さんに言われるままに、A社にPDFで提出したのですが、ChemCHERPAの専用シートに入力し直して提出しろ、という指示がきました(理由は不明)。

しかし、材料屋さんもQ社もこれで問題ないからPDFで提出しろと言うし。。。私が板挟み状態にw

A社は私にChemCHERPAのシートに入力し直して提出しろ、と言うし。。。

誰が入力し直す義務があるの?。。。私はQ社だと思うんですけど。

でも実際は、仕方なく私が適当に入力し直して提出した、というお話です。

 

でもね、そもそも、金属の材料の成分等々を保証できるのは、実際に金属材料そのものを加工・製造・販売している企業でしょう。シートへの入力ができるのも。

材料を購入した人(弊社)には証明書は作成できませんよ。

よりによって私のような無知でボンクラな女が適当に入力し直したシートを提出するなんて

だめっしょ。て思いましたw

 

全然次元が違うかもだけど、生活クラブの組合員の私としては、これを生活クラブに当てはめて考えてしまうわけですよ。

つまり、生活クラブで購入した牛肉で調理したステーキをカフェで提供した時に、お客さんから、「この牛は遺伝子組み換えの飼料を食べていないか証明しろ」と言われた時に、

カフェの主人が生活クラブへ、さらに生活クラブが生産者に証明書を請求しますよね。少なくとも、カフェの主人や生活クラブが証明書を作成する義務はないですよね。

生活クラブでは経産省以上の厳しい自主基準というのがあってものすごい数のチェック項目があります。中身だけでなく、包材の糊やインクの種類まで。

内容を証明(あるいは保証)する義務があるのは、あくまでも牛を育てている酪農家もしくは畜産メーカーでしょう。どんな飼料を与えて、どんな環境で飼育しているのかを証明できるのは彼らしかいません。

書式にこだわるよりも、その内容が大事だと思いますけどね。

 

そもそも材料の成分内容を保証する義務があるのは、誰なのか。

鉄鋼メーカーだと思うんですけど。

 

材料を仕入れて加工している弊社のような工場には材料の仕入れ先を公開することはできますが、材料の成分までは保証することはできません。材料そのものを作っていませんから。

 

もちろん、お前が仕入れた材料を使って製品を作っているのだから、お前が保証しろ、と言いたくなるのはわかります。

でも、弊社が保証できるのは、あくまでも弊社で加工した部分についてのみです。

もちろん鉄鋼メーカーが作った証明書を取り寄せて提出することはできます。

ただ、その場合の鉄鋼メーカー各社が作成する証明書の書式を全世界(せめてEUと米国とアジア)統一書式にしてほしい。経産省さんお願いします。

それが無理ならせめて、書式はなんでもOKだよね!!という空気をもっと世の中に広めてほしいです。

書式云々で、鉄鋼メーカーと納入先の板挟みになるのは勘弁です。