親を介護施設に入れること
だいぶ前の話になりますが、親を介護施設に入れました。
自分の両親は九州で数年前に二人同時に入居させて、おととし(母)と昨年(父)
それぞれ他界しました。
昨年は義母も施設に入居させました。認知が出てきて、何百回も同じことを言ってきたり、ふらふらと買い物に出かけて危なかったからです。
施設を決める際には諏訪湖周辺の施設をかなりたくさん見学しました。
どこもきれいで、スタッフは気持ちよく対応してくれて、私は本当にいい意味で、どこでもいいな、と思いましたが、夫は見栄えの良いところに、ということで、決めました。今はコロナで面会できませんが、とてもいい環境で元気に過ごしているようです。
それはともかく、施設は本当にどこも非の打ち所のない感じがしたのですが、いろいろ見学していくうちに、なんかスッキリしない気持ちがもやもやしてきました。
そもそも、現代の日本では子供を保育園に入れることには積極的なのに、親を介護施設に入れるのはなんとなく介護放棄みたいに思われて後ろめたい気持ちになりがちなのはなんでだろう??(実際に夫や近所の人に介護しろと言われて苦労している女性の話を聞いたことがあります)どちらも、(育児や介護の)プロに支援してもらうところなのに。
介護施設ってなに???
私は、介護専門のスタッフに囲まれて、安心して人生の最期を迎えられる場所だと思う。
残念ながら、私の両親は最後はどちらも病院で亡くなった。介護施設で少しでも具合が悪くなると、すぐに病院に連れていかれる。(本当は病院には行かせなくてもよかったのに、と後ですごく後悔した)
日本人はとかく長生きはいいこと、死ぬことは悪いこと、って決めつけてる空気があるような気がする。
私は必ずしもそうは思わない。もちろん、不慮の事故や殺人や自然災害で突然命を奪われることは絶対あってはならないことだけど、年を重ねてあの世に旅立つことは、できるだけ考えたくもない忌まわしいことだとは全然思わない。
そんな風に死ぬこと=忌まわしい、と思うのではなくて、自分に合った施設(環境)で、優しいスタッフ(もしくは家族や知人)に囲まれながら、安心して最期を迎えられたらいいな、と思う。
だって、だれでも死ぬことは寂しくて不安だもん。できるだけ不安を取り除いて、最期の日を迎えられたら、と思うよね。
だから、施設は、画一的に体操をしたり、歌を歌ったり、必ずしもしてくれなくてもいい。もちろん、施設の都合で、ある程度画一的に体操やらリクリエーションをしたほうが楽なのかもしれないけど。
それに、気になったのが、施設の一番広いリビング(もしくは食卓のあるところ)では大きな音でテレビがつけっぱなしになっていて、やれやれ、と思った。
私が老後を施設で過ごすのなら、テレビではなく、静かな音楽もしくは、自然の音(風や鳥のさえずり)だけでいい。そして窓の外には森が広がっていて、いつでも自分があの自然へ帰っていくんだな、という穏やかな気持ちで過ごしたい。
そんな都合のいいところ、あるわけないやん、もしくはがんばって探せば???ていわれるだけかもしれないけどね。
そもそもの、施設の作り方、運営の仕方や理念、利用者の利用目的がなんか釈然としなくなったんですよね。(詳しく聞いたことはないけどね)
みんな介護施設に何を求めているの?
まさか、できるだけ長生きすること???